ごあいさつ(2012年)

震災がれきと産業副産物のアロケーション最適化コンソーシアム
ごあいさつ

昨年の3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と,その後の度重なる余震による被害を総称して東日本大震災と称しております.発災以来2年が経過し,復興事業が本格化しつつありますが,こうしている今でも,被災地では,仮設住宅にお住いの中,一日も早いがれきの処理と復興を強く願っている被災者の皆様が多数おられます.

ご存知の通り,この震災で発生したがれきは,およそ2000万トンとも推計されておりますが,その処理の進捗については,遅々として進んでいないことがマスコミ等で指摘されております.これに対して,各地区のがれき処理を請け負っておられる各地区のJV各位におかれましては,2014年3月までに完了しなければなりませんが,残すところあと1年という状況となり,極めて緊急な事態にあります.

その一方で,他の自治体からのご支援を賜りながら広域処理を推進するものの,そこでは,放射能レベルが安全で,かつ可燃であるがれきが対象となっており,不燃性のコンクリートがれきや津波堆積土砂,現地で燃焼して発生する焼却灰などは,広域処理の対象とはなっておりません.特に,最後まで分別し,それでも残ってしまう残渣(ふるい下)については,なかなか利用が進まない状況にあります.これらのがれきにつきましては,最終処分場の確保が困難であることなどから,現地での処分あるいは有効利用が必須であり,被災された各自治体におかれましても,これらのがれきを有効活用したいという強いご要望をお持ちと伺っております.

さて,建設業をはじめ,セメント製造,製鉄,電力,製紙,コンクリート製品を生業とする皆様におかれましては,震災以前より,リサイクルに関する技術開発を精力的に進めてこられました.これらの技術の多くは,がれきの処分あるいは有効利用に活用できるものであります.これらの技術を駆使し,産学が連携して,一日も早くがれきを処理し,有効活用を推進することが急務であり,このような形で復興のご支援をすることが社会貢献となり,日本の技術の底力を広く世界にも示せるのではないかと確信しております.

このような状況を鑑みまして,2012年6月に「震災がれきと産業副産物のアロケーション最適化コンソーシアム~未利用資源有効利用の産学連携拠点の形成~(略称:がれき処理コンソーシアム)」を創設しました.これは,がれきの処分,有効活用で培った様々な技術をそこで終わらせることなく,その技術ノウハウを平時の未利用資源の有効活用に継承し,東北地方の資源循環型社会の形成のきっかけ作りを目指すことを目的としているからであります.

今後は,被災自治体をはじめ,国土交通省,農林水産省などの復旧や復興の工事を担当する各位にも,本コンソーシアムの主旨をご理解いただき,コンソーシアムが実効性のあるものとなるべく,モデル事業や実証検討などを通じて,是非ともご協力を賜りますよう,何卒,宜しくお願い申し上げます.

 

2012年6月

がれき処理コンソーシアム
代表 久田真(東北大学大学院)

  

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技術情報集(2013年6月)

適用事例集

第1期活動報告書

コンクリートがれき

福島農地再生技術情報集

再生石膏の有効利用ガイドライン

東北地方における産業副産物を対象とした資源有効利用促進技術資料集 2020年6月